7.熱中症の予防
熱中症とは、高温多湿な環境で、体内の水分と塩分のバランスが崩れたり、循環調節や体温調節などの体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。
めまいや失神、筋肉痛や筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動失調・高体温など様々な症状が現れる。
気候(温度・湿度)や作業環境や作業員の体調等、様々な要因により発症するが、WBGT値(暑さ指数)が急に高くなった日や、休み明け等、体が暑さに慣れていない時に特に発症する事例が多い事を考慮し、対策をとる事が重要である。
- 熱中症予防の為に作業員に指導する事項
- こまめな休憩をとる
- 水分と塩分を30分毎に摂る
- 休憩時間を長い目にとる
- しっかり睡眠をとる
- 朝食を摂り、その際は塩分も摂る
- 休憩毎に職長が体調確認を行う
- 深酒をしない
- 昼に下着を着替える
- ファン付きの作業着を着る
- 現場で対応する事項
- クーラーの付いた休憩所を設ける
- ウォータークーラーや製氷機を設置する
- 塩・塩飴・スポーツ飲料等を常備する
- WBGT値を計測して掲示する
- 作業員の意識が高まるようなポスター等を掲示する
- 発症した場合の対応
- 意識の確認を行い、意識が無い・呼んでも返事が無い・返事がおかしい・全身が痛いと言っている、の様な場合は、直ぐに救急車を手配する。
- 意識がはっきりしている場合は、クーラーの効いた部屋や涼しい場所に避難させ、衣服を脱がして体から熱の放散を助ける。
- 氷や保冷材(ペットボトルに水を入れたものでもよい)があれば、首の後ろ、脇の下、太股の内側に当てる(氷や保冷材は肌に直接当てない事)。
この時に、吐き気があったり、嘔吐したりした場合は、直ぐに病院へ連れて行く。
- 吐き気や、嘔吐がなく自力で水分を摂れるようならスポーツドリンクを与える。 ここまでは、必ず誰かが付き添い様子を見守る事が重要である。
体調が回復しない、悪化している場合も、直ぐに病院へ連れて行く。
- 体調が回復しても、病院に行き診察を受けさせる。(必ず誰かが付き添う)
帰宅中や帰宅後に悪化する事もある。