耐震基準の見直し
建築基準法が、1981年に改正された際に、耐震基準が大きく見直され、1981年を境として、それ以前のものを「旧耐震基準」、それ以降のものを「新耐震基準」と区別されています。「新耐震基準」は最低限必要な性能を規定するものです。
その基準で設計されているものあれば、十分余裕を見て現在の基準を満たしているものもあります。 まずは、建物の耐震調査を行うことで、耐震補強工事が必要であるか、否かを判断いたします。
コンクリートの中性化調査や、コア抜きによるコンクリートの強度調査などを行い、データを数値化したうえで、図面や構造計算書を基に再度建物の耐震性能を調査いたします。その上で、新耐震基準と比較し、どのような耐震補強工事が最適なのかをご提案し、補強工事を行います。
耐震補強の工法として、鉄骨ブレース補強、RC耐震壁補強、炭素繊維・鋼板等による柱巻き補強等、様々な工法があります。建物の規模・築年数・用途、求められる耐震性、改修コスト等を考慮の上、最適な工法を選択していきます。
鉄骨ブレース補強 |
既存柱・梁のフレーム内に後から鉄骨架構部材を取付けて補強する工法です。ブレース材には強度と剛性の高いH型鋼又は鋼管等が用いられます。コンクリートの増設壁に比べると重量増加が少なく、大きな開口を設ける事も可能ですので、良く採用される工法の一つです。 |
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RC新設 増打ち壁補強 |
RC新設耐震壁 既存柱、梁のRCフレーム内に耐震壁を新設する工法です。接合部には主にあと施工アンカーを使用するのが代表的で、アンカー部を囲んでスパイラル鉄筋等による割裂防止措置をし、RC壁を構築して補強する工法です。安価で耐力が期待出来る工法なので、よく採用される工法の一つです。 RC増打ち耐震壁 既存のRC耐震壁の壁厚を増設したり、開口閉鎖をして耐震補強をする工法です。既存RC壁に目荒らしを行い、後打ちのコンクリートが既存壁面とよく密着するようにし、増打ち壁と既存壁を接合させる工法です。 |
柱炭素繊維巻き補強 |
炭素繊維シートをエポキシ樹脂を用いて既存柱の外周部に巻付ける事により、柱のせん断力を増大させ、変形能力の向上を図る補強工法です。施工性がよく、比較的、短い工期で出来る工法です。 |
柱鋼板巻立て補強 |
既存柱の周囲に鋼板を巻立て、内部に無収縮モルタルを充填して補強する工法です。せん断耐力と柱への拘束効果による軸耐力の増大が期待出来る工法です。 |